糖尿病

糖尿病 · 2019/02/18
肥満は、新生した脂肪を肥満細胞に貯蔵することで、肝臓内での過剰なde novo lipogenesis (DNL:新規脂肪酸合成)を避けようとします。脂肪が脂肪細胞に貯蔵されれば、代謝障害は生じません。脂肪が臓器(肝、膵、筋肉など)に蓄積すると、代謝障害(メタボリック症候群)を引き起します。肥満は高インスリン血症/インスリン抵抗性という根本原因に対する防御の第1線なのです。 同様に、インスリン抵抗性により、細胞は糖の侵入を拒否することになります。特にインスリン抵抗性の主要な原因である肝臓が糖の受け入れを拒否することで、DNLによる肝臓への脂肪の蓄積を防ぐことになり、第2の防御メカニズムとなっています。 最後の防衛線は、β細胞の機能障害により、膵臓のインスリン産生を止めることにあります。血糖が上昇し腎臓の閾値を超えると、尿に糖が排出されます。毒性を示す大量の糖は、安全に体内から排出され、さらなる代謝障害を予防することができるわけです。 私たちの身体は本当に良くできていますね。とどのつまり、根本原因である糖を排除して、インスリンを下げれば全て解決するのです。

糖尿病 · 2019/02/18
2型糖尿病はインスリンの効きが悪い人たちです。血管内の糖(血糖)も高いけど、細胞内も糖で溢れています。2型糖尿病を治すには、血糖だけじゃなく細胞内の糖も減らさなければなりません。インスリンで無理やり細胞内に糖を押し込んで血糖を下げても、病態は悪化するばかりです。インスリン注射やインスリンの分泌を増やす薬(アマリール)により、さらにインスリンが効かなくなる悪循環を招きます。2型糖尿病を治すためには糖質制限が必要です。

糖尿病 · 2019/02/18
2型糖尿病の人は血糖が高いのだから血糖は下げた方が良い、これは間違いありません。しかし、UKPDS、ACCORDと言う有名な臨床試験において、インスリンやSU剤(アマリールなど)で、積極的に血糖を下げたにもかかわらず、心疾患や死亡例を減らすことができませんでした。 2型糖尿病は、インスリンの効きが悪くなって血糖が高くなる病気ですから、病気の本態はインスリン抵抗性です。その原因は持続的な高インスリン血症です。だから、血糖を下げると共に、インスリンも減らす治療が必要となります。 インスリンやSU剤で血糖が下がるのは、インスリンを増やすことで、血管内の糖を細胞内に無理やり押し込むことによります。血糖は下がっても、細胞内は糖でさらに溢れ返ってしまいます。インスリンを増やして血糖を下げる薬(インスリン製剤、SU剤)により、さらにインスリン抵抗性、つまり2型糖尿病は悪化するのです。 糖質制限ダイエットで、インスリンもアマリールも中止することは十分に可能です。ノート『ジェイソン・ファングの糖尿病コード』を参照してください。

糖尿病 · 2019/02/18
肥った患者であっても、異所性脂肪の蓄積がなければ、インスリン抵抗性は進展しません。これは、肥満患者のおよそ20%は、インスリン抵抗性がなく、代謝異常もないことを説明します。逆に、正常体重でも、40%に代謝異常を認めますが、これは異所性脂肪の蓄積によるインスリン抵抗性によるものと考えられます。 2型糖尿病は、脂肪肝によるおよそ10年のインスリン抵抗性の増大の後に、脂肪膵によるインスリン分泌機能低下に加わり、発症するものと考えられます。

糖尿病 · 2019/02/18
ジェイソン・ファングは『内臓に蓄積した異所性脂肪による生理的欠陥』により2型糖尿病を発症すると説明しますが、これも画期的でとても納得がいきます。 異所性脂肪の蓄積には2相があります。第1相は、肝臓と筋肉に蓄積した異所性脂肪によるインスリン抵抗性の上昇です(脂肪肝と脂肪筋)。第2相は、膵臓に蓄積した異所性脂肪による膵β細胞の機能低下です(脂肪膵)。 肝臓の細胞はブドウ糖で溢れた(オーバーフロー)状態を解除するために、ブドウ糖から脂肪を生成します。脂肪が外に送り出されるよりも多く生成されると脂肪肝になります。脂肪肝は体全体の肥満より、インスリン抵抗性や糖尿病への決定的な踏み石となります。つまり、インスリン抵抗性の大部分は、ブドウ糖のオーバーフローにより膨れ上がった脂肪肝によるものなのです。 インスリンの産生低下は、膵臓が消耗したためではなく、膵臓に脂肪が蓄積したことによります。膵臓に蓄積した過度の脂肪は、2型糖尿病患者にしか見られません。膵臓に脂肪が多いほど、インスリンの分泌が少なくなります。胃バイパス手術や断食により、膵臓の脂肪が減り、インスリン分泌能が戻ることが分かってきました。

糖尿病 · 2019/02/18
そうやって考えると、インスリンを増やす薬:インスリン製剤、SU剤(アマリールなど)、チアゾリジン誘導体(アクトス)による治療が、間違いだったってことが理解できるでしょう。インスリンを増やすことなく血糖を下げる薬が望ましいわけです。現在使える薬の中では、αグルコシターゼ阻害薬(グルコバイ・ベイスン・セイブルなど)やSGL2阻害薬(スーグラ・フォシーガ・カナグルなど)はインスリンを増やさずに血糖を下げるので有効です。αグルコシターゼ阻害薬は糖の吸収を減らし、SGL2阻害薬は糖を尿に排泄することで、どちらも糖を身体から減らしていますね。インスリンは肥満ホルモンでもあるので、体重が増える薬はダメってことになります。αグルコシターゼ阻害薬やSGL2阻害薬は体重が減ります。作用は少し複雑ですが、注射薬であるインクレチン関連薬(GLP1アナログ:ビクトーザ、パイエッタなど)も体重が下がり有望です。その他、ビアグナイド(メトグルコ)やDPP4阻害薬も悪くはありませんが、身体の糖は減りませんし、体重も減りません。 皆さんはどんな薬を飲まれていますか?

糖尿病 · 2019/02/18
2型糖尿病の人は血糖が高くなるだけじゃなくて、細胞内にも糖が溢れています(オーバーフロー現象)。身体中に溢れた糖を外に出さないことには治りません。だから糖を摂って良くなるなんてことはあり得ないわけです。 血糖が高いのだから血糖は下げた方が良い、間違いありません。しかし、UKPDS試験、ACCORD試験っていう有名な臨床試験で、インスリンやSU剤で、積極的に血糖を下げたにもかかわらず、心疾患や死亡例を減らすことができませんでした。2型糖尿病は、インスリンの効きが悪くなり血糖が高くなる病気ですから、病気の本態はインスリン抵抗性です。その原因は高インスリン血症です。だから、血糖を下げると共に、インスリンも減らす治療じゃないといけません。インスリンやSU剤で血糖が下がるのは、インスリンを増やすことにより、血管内の糖を細胞内に無理やり押し込むことによります。血糖は下がっても、細胞内は糖でさらに溢れ返ります。血管に良くないものは、細胞にも良くないに決まっています。(続く)