ヒポクラテスの金言
「まず、害をなすな」
「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」
「食べ物で治せない病気は、医者でも治せない」
「病気は、人間が自らの力をもって自然に治すものであり、
医者はこれを手助けするものである」
「賢者は健康が最大の人間の喜びだと考えるべきだ」
(紀元前460-375年)
植物油(サラダオイル)の普及により、リノール酸を含む多価不飽和脂肪酸(PUFA)の消費量はこの100年で25倍に増大しました。脂肪組織の脂肪分解による遊離脂肪酸(FFA)の上昇は肥満、2型糖尿病だけでなく、非アルコール性脂肪性肝疾患、心脳血管疾患、がんなどでも増加が確認されております。FFAの上昇は、全身の組織のミトコンドリアにおける脂肪酸酸化の増大による酸化ストレス(正確には還元ストレス)を生み出し、インスリン抵抗性の主な原因となり、肥満からがんに至る幅広い病気のスペクトラムを形成します。
これまでインスリン抵抗性の改善のために、糖質制限食、間欠的絶食、運動を推奨して参りましたが、PUFAの摂取制限をしなければ、脂肪分解を促進することにより、かえって病態を悪化させる可能性があることに気付きました。
今後は、生体の健康はエネルギーに依存すると考える生体エネルギー学(バイオエナジェティクス)の観点から、慢性疾患に最適化した治療を目指して参ります。