COVID-19死亡率とビタミンD3(カルシジオール:25(OH)VD3)血中濃度との関係を調べるために、ヨーロッパ住民のコホート研究と7つの臨床試験をメタ解析した。コホート研究では感染前ビタミンD3血中濃度、臨床研究では入院日の血中濃度を採用した。年齢、性別、疾病を調整した統合データの平均ビタミンD3血中濃度は23.2ng/mlで、ビタミンD3血中濃度とCOVID-19死亡率は有意に負の相関を示した(ピアソン相関係数:r(32) = −0.3989, p = 0.0194)。線形回帰分析から死亡率がゼロになる理論的なビタミンD3血中濃度は50.7ng/mlであった。
ビタミンD3欠乏は感染による副作用ではなく予測因子である。ウイルスの突然変異やワクチンの抗体活性の低下による感染爆発を予防または軽減するために、ビタミンD3血中濃度を50ng/mlまで増やすことを推奨する。(Borsche L, Nutrients. 2021)