脂質異常症

脂質異常症 · 2019/04/22
LDLコレステロール値(LDL-C)が同じであっても、粒子数(LDL-P)によりその冠動脈疾患リスクは異なります。小さなLDL粒子(small dense LDL)は、大きなLDL粒子(large buoyant LDL)と比べて動脈硬化惹起性が高いことが知られています。 インスリン抵抗性を改善することで、sd-LDLは減りlb-LDLが増加します。つまり糖質制限食(低炭水化物高脂肪食)を摂取することで、LDL-Cは変わらなくてもLDL-Pを減らし、冠動脈疾患リスクを減らすことができるのです。確かにスタチンでLDL-Cを減らせば、sd-LDLもいくらか減りますが、lb-LDLが増えることはありません。スタチンの副作用も考えれば、賢明な治療選択ではないでしょう。 詳しくは「small dense LDL(sd-LDL)に関する基礎知識」をご覧ください。

脂質異常症 · 2019/02/20
2011年、ノルウエーのHUNT2スタディーが最も新しいので紹介します。ノルウエー人52 087人 (男性24 235 、女性 27 852 ) 20-74歳の心筋梗塞、狭心症、脳卒中の既往のない人が対象で観察期間は10年に及びます。結果は、コレステロール増加に伴い、女性では死亡率は直線状に低下しました。男性ではU型の低下でしたが、コレステロールが最低で死亡率が最も高いことは同じ結果でした。(コレステロール1mmol/L=39mg/dL) 他にも2004年、オーストリアンスタディ、2001年、ホノルルハートプログラムが有名です。1987年、フラミンガムスタディでは、50歳以上では1mg/dLコレステロールが低下すれば、11%総死亡率が上昇し、心血管死が14%上昇するとする驚くべきデータが公表されたのですが、闇に葬られてしまいました。日本でも茨城県試験、伊勢原試験がありますが、同様にコレステロールが高いと総死亡率が低下することが示されています。Silence was the stern reply :https://drmalcolmkendrick.org/tag/hunt-2/

脂質異常症 · 2019/02/19
同様に、グラフは世界保健機構(WHO)のデータから192ヶ国の総コレステロール値と総死亡者数の関係を調べたものであるが、コレステロール値と総死亡者数に関連を認めません。相関係数も高くなり、男性も女性も右肩下がりに見えます。他の観察研究(ホノルルスタディー、オーストリアンスタディー、ハント2スタディーなど多数)の結果を踏まえると、総コレステロール値が高い方が総死亡率は低下すると考えて間違えなさそうです。 Cholesterol & heart disease – there is a relationship, but it’s not what you think :http://www.zoeharcombe.com/2010/11/cholesterol-heart-disease-there-is-a-relationship-but-its-not-what-you-think/

脂質異常症 · 2019/02/19
グラフは世界保健機構(WHO)のデータから192ヶ国の総コレステロール値と心筋梗塞患者数の関係を調べたものですが、コレステロール値と心筋梗塞死亡者数に関連を認めません。ばらつきは多いですが、男性は横ばい、女性は右肩下がりに見えます。少なくとも正の相関は認めません。 Cholesterol & heart disease – there is a relationship, but it’s not what you think :http://www.zoeharcombe.com/2010/11/cholesterol-heart-disease-there-is-a-relationship-but-its-not-what-you-think/

脂質異常症 · 2019/02/19
グラフはMONICA試験14か国にマルコム・ケンドリックがオーストラリアのアボリジニを加えたものです。 コレステロールが高い順に左から右に並べましたが、心筋梗塞死は同様に右肩上がりにはならず、正の相関は認められません。 コレステロールの最も低いアボリジニの総コレステロール(TC)はわずか200mg/dLですが、心筋梗塞死亡者数は1100人/10万人です。同様にロシアはTC210mg/dLで心筋梗塞死亡者数は800人/10万人です。一方、コレステロールの最も高いスイスはTC260mg/dLですが、心筋梗塞死亡者数は100人/10万人です。 総コレステロール値と心筋梗塞死に関連を認めません。 総コレステロールとLDLコレステロールはほぼ同様に増減します。

脂質異常症 · 2019/02/18
コレステロールは、タンパク質やリン脂質とともに細胞膜の構成要素で、膜の流動性を調節しています。総コレステロールの1/4が脳に、1/3強が神経全体に集中しています。脳の情報を素早く正確に体の隅々へ伝達するために、コレステロールは不可欠です。コレステロールはまた、皮膚が作るビタミンDや、副腎皮質、性腺、胎盤が合成するステロイドホルモンの原料となります。さらにコレステロールは、脂肪の消化に不可欠な胆汁酸のもとにもなります。コレステロールは悪者などころか、私たちの生命維持に欠かすことのできない重要な脂肪なのです。 近年の研究により、LDLの中でも粒子サイズが小さく密度の大きいsmall dense LDLと言われるリポ蛋白質が、血中滞在時間が長く、酸化変性をきたしやすいため、動脈硬化を起こしやすいことが判明しました。この超悪玉コレステロールは、メタボな人、つまりインスリン抵抗性が高い人に多いのです。中性脂肪が150以上の人は、LDLが正常だからって安心はできません。糖質制限をすれば、中性脂肪が下がり、HDLが上昇し、small dense LDLが減ります。スタチンを飲んだって改善しません。

脂質異常症 · 2019/02/18
コレステロールはそもそも悪者ではありません。なので、スタチンで治療するメリットはほとんどありません。スタチンが有効なのは過去に心筋梗塞の既往のある50才以下の男性だけで、全ての老人と女性には無効です。二次予防のために、5年間スタチンを飲んで、死亡のNNTは83(83人飲んで1人だけ死亡を免れる)、心筋梗塞のNNTは39です。しかも、糖尿病のNNHは50(50人飲んだら1人は糖尿病になる)、筋肉障害のNNHは10です。一次予防になると心筋梗塞のNNTは217ですが、死亡の改善は得られません。スタチンの効果はコレステロール低下によるものではなく、抗炎症効果によると言われています。クルクミンやEPA/DHAで十分に代用可能ですし、副作用の心配も全くありません。スタチンは強力にLDLコレステロールを低下させますが、本当の悪玉であるsmall dense LDLを減らしません。糖質制限により、中性脂肪が低下し、HDLは上昇し、small dense LDLが低下し、一石三鳥の効果が得られます。詳しくは、ノート「コレステロール仮説は本当に正しいか?」をご覧ください。