インスリン抵抗性

インスリン抵抗性 · 2020/01/30
タンパク質てこ仮説 「生物は体に必要な量のタンパク質を獲得するまで食事の摂取量を増やす」という理論である。何故てこ(leverage)なのかと言うと、食事中のタンパク質の量がほんのわずかに変化するだけで、食事摂取量が大きく変わるからである。ダイエットのタンパク質カロリー比が低下すると、十分なタンパク質を摂取するまで食べ続けるため、エネルギー摂取量は増加し、肥満の原因となると考えたのだ。 肥満、糖尿病、心血管疾患、がん、神経変性疾患などの慢性疾患の原因はインスリン抵抗性であり、その根本原因はエネルギー過多なダイエットにある。炭水化物、脂肪摂取量の増加に加え、加工食品(特に小麦粉、砂糖、シードオイル)が加わり、私たちのダイエットのタンパク質カロリー比が非常に低下してしまい、タンパク質とミネラルの飽満欲求により過食してしまうのである。 タンパク質/エネルギー比を高めるためには、タンパク質を積極的に摂取し、栄養価のない穀物、でんぷん、砂糖、シードオイルをできるだけ摂らない様にする必要がある。 #タンパク質てこ仮説 #leverage #肥満 #インスリン抵抗性

インスリン抵抗性 · 2020/01/25
2015年にRoy TaylorはPersonal Fat Threshold(PFT)という概念を発表した。人それぞれ遺伝的に皮下脂肪の許容量が決まっていて、それを超えると内臓周囲や肝臓や膵臓や筋肉に異所性脂肪が蓄積するようになり、インスリン抵抗性が増して糖尿病を発症するとするものである。日本人はアメリカ人に比べてPFTが低いため、痩せた2型糖尿病患者が多いのであろう。 インスリン抵抗性はミトコンドリアの生合成や機能低下と密接に関わる。そこに需要とマッチしない過剰な栄養燃料(糖と脂肪酸)が供給されると、ミトコンドリアは糖の酸化を優先し、脂肪酸の酸化を止める。脂肪酸は細胞質で中性脂肪に変換され脂肪組織に貯蔵される。また、ミトコンドリアにおける燃料の渋滞は活性酸素の産生を増加し、細胞を傷害するとともにインスリン抵抗性をさらに悪化させる。 つまり、問題は過剰な栄養燃料の摂取である。中でも高炭水化物高脂肪食が一番問題である。カロリー(特に炭水化物)を制限し、PFT以下まで脂肪量を減らすことが出来れば、難渋する痩せ形2型糖尿病も寛解する可能性がある。

インスリン抵抗性 · 2019/11/30
脳の発達と共に、人類のダイエットは植物食からエネルギー価の高い動物食へと変わり、腸管もそれに適応した。肉食ダイエットは人類の進化の歴史において主流であったと考えられ、一時的な流行ダイエットではない。 肉食ダイエットが私たちの健康を改善するとの報告は沢山あるが、もしも自己免疫疾患、肥満、糖尿病、精神疾患で苦悩しているなら試してみる価値がある。なぜなら、肉、塩、水のみのダイエットは究極の除外ダイエットであるからである。 詳しくはFBノート「肉食ダイエット(carnivore diet)」をご覧下さい。

インスリン抵抗性 · 2019/11/30
肉食ダイエットは植物食を一切摂らない、糖質ゼロのダイエットである。肉は全ての栄養素が含まれているだけでなく、植物食の様に私たちに有害な物質や抗栄養素が含まれていないので、生物学的利用率が高くとても合理的である。また、メニューや調理をあれこれ考える手間も省けて、とても簡単である。その安全性は、動物食しか摂らないイヌイットやマサイ族の存在により明らかである。肝臓などの臓器肉も摂取すれば栄養不足の心配はより少なくなる。 肉は少量ではあるがビタミンCを含む。糖質を制限するとビタミンCの必要量は減少するので、糖質ゼロの肉食ダイエットで壊血病になることはまずない。さらにケトジェニックな環境で尿酸やグルタチオンの生成が増加するため、身体の抗酸化能力は増強する。 植物食ゼロで繊維ゼロになっても問題は生じない。繊維がなくても腸管は短鎖脂肪酸(特に酪酸)を生成可能であるし、栄養ケトーシスではケトン(βヒドロキシブチレート)が血中に増え、酪酸と同等かそれ以上に機能する。意外かもしれないが、繊維を減らすと消化器症状(鼓腸、腹痛、便秘など)は全て改善する。

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
血圧が高くて初診される方のほとんどがメタボリック症候群(メタボ)です。だから、血圧をさげるにはメタボの原因であるインスリン抵抗性を改善しなければなりません。最近の降圧薬は強力なので血圧コントロールは可能ですが、メタボを改善しない限り薬は増える一方です。インスリン抵抗性の主な原因は糖質の過剰摂取なわけですから、高血圧の治療に糖質制限は絶対に必要です。酒と砂糖(果糖)も、脂肪肝を引き起しインスリン抵抗性を増悪させます。糖質制限による塩分の排泄増加による浮腫みの改善も血圧低下に貢献します。塩分制限よりも糖質制限の方がはるかに重要です。肥満じゃないから、メタボじゃないとは言えません。実際、肥ってない人の40%にインスリン抵抗性を認めます。本態性高血圧の大半はメタボと言っても過言じゃありません。ただ、ごく稀ですが、二次性高血圧の方もいるので、血液検査による鑑別診断は必要です。

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
低糖質食では断食と同様に異化が亢進するので、活力がみなぎり、気分良く生活ができます。低糖質食で蛋白質を摂取してもIG比は変わりません。低糖質食では断食と同様に、糖新生の必要が高いので、蛋白質を大量に摂取してもケトーシスは維持できます。 低IG比を維持するために、1.糖質を制限する(1日50g以下)、2.タンパク質を優先的に摂取する(体重1kgあたり1-2g)、3.足りないエネルギーを脂肪で満たす(動物脂肪、ココナッツ、オリーブオイル、アボガド)、の3ステップが必要です。

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
米国の大人の肥満(BMI>30)の20%には全く病気がありません。一方、正常体重(残り)の40%に、高血圧、糖尿病、脂質異常、心筋梗塞、脳卒中、認知症、がんなどの慢性疾患を認めます。米国大人の半分に代謝機能異常を認めることになります。これらの慢性疾患の主な原因はインスリン抵抗性です。インスリン抵抗性の原因は、高インスリン血症であり、炭水化物の過剰摂取です。つまり、食事を低糖質食(低炭水化物食)に変えることで、多くの疾患を回避することが可能なのです。 膵臓からインスリンがだけでなく、グルカゴンというホルモンが分泌されます。インスリンは摂食とエネルギー貯蔵という同化反応(anabolism)に、グルカゴンは断食とエネルギー燃焼という異化反応(catabolism)に働きます。 インスリン・グルカゴン(IG)比が低いと、カロリー制限をしなくても断食と同じような効果が得られます。つまり、インスリン感受性が亢進し、オートファジーが亢進し、脂肪分解が進み、褐色脂肪細胞が増加します。(続く)

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
果糖は脳で代謝されないので、アルコールの様な急性の副作用はありませんが、高血圧、冠動脈疾患、脂質異常症、膵炎、肥満、脂肪肝、依存症など、アルコールと同じ慢性的な副作用を引き起こします。果糖とアルコールは、代謝のメカニズムが同じであり、「果糖は酔わないアルコール」とも言えるでしょう。アルコールには規制がありますが、砂糖(果糖)にはありません。砂糖の規制をしない限り、増え続けるメタボリックシンドロームを止めることはできないでしょう。

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
砂糖はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)からなります。ブドウ糖は全ての臓器で利用される良質な炭水化物であり、80%が全身で利用され、残りの20%が肝臓で代謝されます。その多くはグリコーゲンとして貯蔵され、残りがTCA回路でATPに変わり、脂肪になるのはごくわずかです。 アルコールは10%が消化管、10%が脳や筋肉などで利用され、残りの80%が肝臓で代謝されます。有毒なアセトアルデヒドに分解され、活性酸素を生成します。アセトアルデヒドは酢酸に変わり、TCA回路で利用されますが、大量で処理しきれい分は脂肪(VLDL)に変換されます。これが内臓脂肪として蓄積し、インスリン抵抗性を引き起します。 果糖は100%が肝臓で代謝され、グリコーゲンとして貯蔵されることはなく、ほとんどすべてがピルビン酸に代謝され、TCA回路に運ばれますが処理しきれないため、多くがアルコールと同様に脂肪に変換されます。また、果糖の初期代謝に大量のATPが消費されるため、尿酸が増加し、痛風と高血圧の原因となります。(続く)

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
慢性的にインスリンが高いと、脂肪細胞から分泌された満腹ホルモン(レプチン)のシグナルを抑制するため、満腹中枢である視床下部腹部内側核は飢餓状態と感じるようになります。これが交感神経系の活動を減らし(怠け)、迷走神経活動を増やします(大食)。同様に中脳の腹側被蓋野に対するレプチンシグナルも抑制することにより、報酬感を高め大食に至らしめます。また、ストレスによる扁桃体の慢性的な活性化によりコルチゾールが上昇すると、インスリン抵抗性が悪化し、インスリンがさらに増え、体重が増加します。脳の3つ経路(飢餓、報酬、ストレス)が同時に働くことで、私たちは肥満やメタボリックシンドロームを避けることができなくなります。この大脳辺縁系のトライアングルは、バミューダトライアングルと同様に、一度入り込んだら出られません。 肥満は脳のホルモン異常の結果なのです。大食して怠けるから肥るのではなく、肥った結果、大食して怠けるのです。この要となるのがインスリンです。体重に関わらず、多くの人のインスリンは、同じ量の糖に対して、30年前より倍分泌されています。人類史上、私たちは最も高インスリン血症になっています。

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