インスリン抵抗性

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
血圧が高くて初診される方のほとんどがメタボリック症候群(メタボ)です。だから、血圧をさげるにはメタボの原因であるインスリン抵抗性を改善しなければなりません。最近の降圧薬は強力なので血圧コントロールは可能ですが、メタボを改善しない限り薬は増える一方です。インスリン抵抗性の主な原因は糖質の過剰摂取なわけですから、高血圧の治療に糖質制限は絶対に必要です。酒と砂糖(果糖)も、脂肪肝を引き起しインスリン抵抗性を増悪させます。糖質制限による塩分の排泄増加による浮腫みの改善も血圧低下に貢献します。塩分制限よりも糖質制限の方がはるかに重要です。肥満じゃないから、メタボじゃないとは言えません。実際、肥ってない人の40%にインスリン抵抗性を認めます。本態性高血圧の大半はメタボと言っても過言じゃありません。ただ、ごく稀ですが、二次性高血圧の方もいるので、血液検査による鑑別診断は必要です。

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
低糖質食では断食と同様に異化が亢進するので、活力がみなぎり、気分良く生活ができます。低糖質食で蛋白質を摂取してもIG比は変わりません。低糖質食では断食と同様に、糖新生の必要が高いので、蛋白質を大量に摂取してもケトーシスは維持できます。 低IG比を維持するために、1.糖質を制限する(1日50g以下)、2.タンパク質を優先的に摂取する(体重1kgあたり1-2g)、3.足りないエネルギーを脂肪で満たす(動物脂肪、ココナッツ、オリーブオイル、アボガド)、の3ステップが必要です。

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
米国の大人の肥満(BMI>30)の20%には全く病気がありません。一方、正常体重(残り)の40%に、高血圧、糖尿病、脂質異常、心筋梗塞、脳卒中、認知症、がんなどの慢性疾患を認めます。米国大人の半分に代謝機能異常を認めることになります。これらの慢性疾患の主な原因はインスリン抵抗性です。インスリン抵抗性の原因は、高インスリン血症であり、炭水化物の過剰摂取です。つまり、食事を低糖質食(低炭水化物食)に変えることで、多くの疾患を回避することが可能なのです。 膵臓からインスリンがだけでなく、グルカゴンというホルモンが分泌されます。インスリンは摂食とエネルギー貯蔵という同化反応(anabolism)に、グルカゴンは断食とエネルギー燃焼という異化反応(catabolism)に働きます。 インスリン・グルカゴン(IG)比が低いと、カロリー制限をしなくても断食と同じような効果が得られます。つまり、インスリン感受性が亢進し、オートファジーが亢進し、脂肪分解が進み、褐色脂肪細胞が増加します。(続く)

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
果糖は脳で代謝されないので、アルコールの様な急性の副作用はありませんが、高血圧、冠動脈疾患、脂質異常症、膵炎、肥満、脂肪肝、依存症など、アルコールと同じ慢性的な副作用を引き起こします。果糖とアルコールは、代謝のメカニズムが同じであり、「果糖は酔わないアルコール」とも言えるでしょう。アルコールには規制がありますが、砂糖(果糖)にはありません。砂糖の規制をしない限り、増え続けるメタボリックシンドロームを止めることはできないでしょう。

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
砂糖はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)からなります。ブドウ糖は全ての臓器で利用される良質な炭水化物であり、80%が全身で利用され、残りの20%が肝臓で代謝されます。その多くはグリコーゲンとして貯蔵され、残りがTCA回路でATPに変わり、脂肪になるのはごくわずかです。 アルコールは10%が消化管、10%が脳や筋肉などで利用され、残りの80%が肝臓で代謝されます。有毒なアセトアルデヒドに分解され、活性酸素を生成します。アセトアルデヒドは酢酸に変わり、TCA回路で利用されますが、大量で処理しきれい分は脂肪(VLDL)に変換されます。これが内臓脂肪として蓄積し、インスリン抵抗性を引き起します。 果糖は100%が肝臓で代謝され、グリコーゲンとして貯蔵されることはなく、ほとんどすべてがピルビン酸に代謝され、TCA回路に運ばれますが処理しきれないため、多くがアルコールと同様に脂肪に変換されます。また、果糖の初期代謝に大量のATPが消費されるため、尿酸が増加し、痛風と高血圧の原因となります。(続く)

インスリン抵抗性 · 2019/02/18
慢性的にインスリンが高いと、脂肪細胞から分泌された満腹ホルモン(レプチン)のシグナルを抑制するため、満腹中枢である視床下部腹部内側核は飢餓状態と感じるようになります。これが交感神経系の活動を減らし(怠け)、迷走神経活動を増やします(大食)。同様に中脳の腹側被蓋野に対するレプチンシグナルも抑制することにより、報酬感を高め大食に至らしめます。また、ストレスによる扁桃体の慢性的な活性化によりコルチゾールが上昇すると、インスリン抵抗性が悪化し、インスリンがさらに増え、体重が増加します。脳の3つ経路(飢餓、報酬、ストレス)が同時に働くことで、私たちは肥満やメタボリックシンドロームを避けることができなくなります。この大脳辺縁系のトライアングルは、バミューダトライアングルと同様に、一度入り込んだら出られません。 肥満は脳のホルモン異常の結果なのです。大食して怠けるから肥るのではなく、肥った結果、大食して怠けるのです。この要となるのがインスリンです。体重に関わらず、多くの人のインスリンは、同じ量の糖に対して、30年前より倍分泌されています。人類史上、私たちは最も高インスリン血症になっています。

インスリン抵抗性 · 2019/02/17
食べ物の少ない冬に備えて動物たちが肥満となるのは、脂肪と言う良質なエネルギーを身体に貯蔵するためです。実りの秋に炭水化物を大量に摂取すると、大量のインスリンが分泌され、同時にインスリン抵抗性が生じます。しかし、それにより過剰に摂取した糖から肝臓で効率よく脂肪が生成されます。冬を迎え食べ物が欠乏すると、インスリン抵抗性は消失し、貯蔵した脂肪を燃焼し生きるためのエネルギーとして利用します。こうして肥満は消失し、食べ物を求め活発に活動する春を迎えるサイクルを、動物たちは繰り返し生きています。炭水化物を過剰に摂取する遺伝子は私たち人間にも組み込まれており、抗うことはできません。私たちの先祖は冬の到来により、難なくインスリン抵抗性を消失することができました。飽食の後には絶食が待っていたからです。現代社会では、飽食の後に飽食が延々と続くため、この遺伝子は不利に働きインスリン抵抗性は増悪するのです。遺伝子を変えることができない以上、インスリン抵抗性を断ち切るためには季節の移り変わりに類似した食生活が必要となります。インスリン抵抗性、糖質制限食や間欠的断食が有効である理由がご理解いただけたでしょうか?