従来、摂取したでんぷんは小腸で完全に消化されるものと考えられてきましたが、でんぷんの一部は消化されずに大腸に運ばれることが明らかになり、それらは難消化性でんぷん(レジスタントスターチ(RS))と命名されました。突然死したヒトの大腸内容物を分析した試験で、最も大量に存在した炭水化物は、予想に反して、食物繊維ではなくRSであることが判明しました。
ヒトの大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息しており、腸内細菌叢の乱れは様々な疾病の原因となることが明らかにされています。腸内細菌叢の健全化のためには、生きた善玉菌であるプロバイオティクスを直接摂取する方法と今生息する善玉菌のエサになるプレバイオティクスを摂取する方法があります。食物繊維と同様にRSもプレバイオティクスとして働き、腸内細菌により発酵されて短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)となり、大腸粘膜の主要なエネルギー源となります。同じ難消化性成分(ルミナコイド)でも、食物繊維が非でんぷん性であるのに対し、RS はでんぷん性です。RS は現在のところ4タイプに分類されています。