じゃがいもダイエット(3)
一般 · 2022/07/29
でんぷんはアミロースとアミロペクチンが水素結合により隙間なく規則正しく並んだミセル構造をしています。加水・加熱すると、ミセル構造が壊れて水分子が入り込み、ふっくらと柔らかく消化酵素が働きやすい状態となります(糊化)。しかし、糊化したデンプンを冷やすと、再びミセル構造を形成します(老化)。つまり炊き上げたご飯やジャガイモを冷蔵庫で冷やすとRSが増加するのです。一般的に水分量が30-60%、温度が2-10℃で最も老化速度が速くなります。再加熱の場合でも、70℃を超えなければRSは残る様です。 最近、白米の重さの3%分のココナッツオイルまたはバターを入れて米を炊き、冷蔵庫に12時間置くことで、RSが増加し、カロリーが50%減ることが報告されています。 じゃがいもはナス、トマト、ピーマン、唐辛子などと同じナス科の植物で、糖アルカロイドと呼ばれる天然の農薬(毒)が含まれています。じゃがいもにはソラニンが含まれ、調理する際には芽の部分や皮が緑色になっている部分をしっかり取り除く必要があります。ソラニンは腹痛や吐き気等の症状を引き起こすことがあり、加熱調理してもなかなか分解されないので注意が必要です

じゃがいもダイエット(2)
一般 · 2022/07/29
腸内細菌叢による短鎖脂肪酸の産生障害は肥満やメタボリック症候群の原因となります。短鎖脂肪酸の中でも酪酸は特に重要であり、ヒトと腸内細菌叢のクロストークの主な伝達物質として働き、腸管免疫能を改善し、炎症を抑え、インスリン抵抗性を改善し、食欲を抑制し、肥満を改善します。酪酸産生の増加は、肥満やその関連代謝疾患の予防のための重要な戦略となります。 じゃがいもはご飯や食パンと比較して、カロリーが低く、糖質量が少ない上に、RSが極めて多い特徴があります。さらに、ビタミンCやカリウムが豊富です。主食としてご飯や食パンの代わりにじゃがいもを食べることで、カロリー制限と糖質制限をするだけでなく、プレバイオティクスの補給により腸内細菌叢の健全化を推進します。じゃがいもは食べ応えがあり、腹持ちもよく、食べ過ぎが心配な方にもおすすめです。

じゃがいもダイエット
一般 · 2022/07/29
従来、摂取したでんぷんは小腸で完全に消化されるものと考えられてきましたが、でんぷんの一部は消化されずに大腸に運ばれることが明らかになり、それらは難消化性でんぷん(レジスタントスターチ(RS))と命名されました。突然死したヒトの大腸内容物を分析した試験で、最も大量に存在した炭水化物は、予想に反して、食物繊維ではなくRSであることが判明しました。 ヒトの大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息しており、腸内細菌叢の乱れは様々な疾病の原因となることが明らかにされています。腸内細菌叢の健全化のためには、生きた善玉菌であるプロバイオティクスを直接摂取する方法と今生息する善玉菌のエサになるプレバイオティクスを摂取する方法があります。食物繊維と同様にRSもプレバイオティクスとして働き、腸内細菌により発酵されて短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)となり、大腸粘膜の主要なエネルギー源となります。同じ難消化性成分(ルミナコイド)でも、食物繊維が非でんぷん性であるのに対し、RS はでんぷん性です。RS は現在のところ4タイプに分類されています。

がんとは何か?(2)
一般 · 2022/07/13
この先祖返り説は、歴史上の全てのがんの表現型が同じで、がんの特徴である成長・不死・移動・ワーバーグ効果を必ず備えることを説明する。 老化により弱体化した免疫系を強化することでがんと戦う免疫療法は、新しいがんの進化モデルに矛盾せず、とても有望である。免疫チェックポイント阻害薬やキメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T)の臨床応用が進んでいる。 がん治療における食事の主な役割はがんの成長を抑制することであり、特にインスリンが重要で、高インスリン血症状態である肥満や2型糖尿病を避けることが重要となる。 詳しくはFB特集記事「がんとは何か?」をご覧ください。

がんとは何か?
一般 · 2022/07/13
1971年、ニクソン大統領のがん撲滅宣言以来50年が経過するが、莫大な研究費用にもかかわらず、他疾患と比較してがんの生存率の改善は微々たるものである。 「がんはランダムで多数の遺伝子突然変異が重なることによる遺伝子異常による」とする体細胞突然変異説(SMT)ががん研究を支配してきたが、遺伝子標的治療により利益が得られたのはがん患者のわずか5%でしかない。一卵性双生児や移民の研究から明らかな様に、がんリスクにおける遺伝子の関与はせいぜい30%程度であり、70%は生活環境に依存する。SMTではこのエピジェネティクスを説明できない。 「がんは全ての多細胞生物の細胞内に存在する」とするポール・デイヴィス博士の発見は、がんの新しいパラダイムへの端緒となった。がん細胞と単細胞生物の行動様式は極めて似ており、生存と繁殖のための「競争」に基づく。多細胞生物の正常細胞が何らかの亜致死的で慢性的な損傷を受けると、多細胞生物に特有な行動様式である「協力」に関わる遺伝子が破壊され、内在する単細胞生物の遺伝子があらわになり、細胞は「競争」に基づく行動様式へ変わり、がん細胞となる。

NAD+の解決策(2)
一般 · 2022/04/19
細胞のエネルギーセンサーであるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の増加はNAMPTを活性化し、細胞内のNAD+レベルを増加させます。NMNの補充は少量のNAMとNAMPTの活性化ほど役に立ちません。1日25-50mgx3程度のニコチンアミド(NAM)により多くの人が反応し、費用もNRやNMNの1/50程度で済みます。 AMPKを活性化してNAMPTを増加するには、運動、カロリー制限食(または絶食)、サーカディアンリズムの最適化があります。また、DNA傷害によるNAD+の消費を減らすために、電磁波(EMFs)や不要な医学的X線の被ばくを回避する必要があります。 詳しくは特集「NAD+アップデート」をご覧ください。

NAD+低下の解決策
一般 · 2022/04/19
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)は全ての細胞に見いだされ、無数の生物学的プロセスの酵素活性に不可欠な補因子として働いています。NAD+の主な働きは、食物をエネルギーに変換することと、健全な細胞を保持することであり、NAD+なしに私たちは生存することができません。NAD+の低下は生まれた日から始まり、20年毎におよそ50%、指数関数的に低下し、認知機能低下、がん、代謝疾患、サルコペニアなど、数多くの老化関連疾患を引き起こします。 動物実験では、ニコチンアミドリボシド(NR)やニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の補充により病気と健康寿命の改善が得られましたが、ヒトの臨床試験ではまだ確認されていません。実際、NMNが足りないからNAD+レベルが低下しているという証拠もありません。 NAD+レベルの回復には、NAD+合成サルベージ経路の酵素を若い頃と同じように強化する必要があります。また、NAD+の無駄な消費プロセスの見直しが必要です。NAD+をNMTに変換する酵素であるNAMPTはサルベージ経路の律速酵素で、加齢により低下し、NAD+の低下と相関します。

もっと外に出よう!日光浴をしよう!
一般 · 2022/03/28
ミトコンドリアでATPの副産物として生じる活性酸素種(ROS)はミトコンドリア機能を障害し、パーキンソン病、心筋症、糖尿病、がんなど多くの疾患の原因となる。ミトコンドリアは好気性細菌の酸素呼吸能力と共に、強力な抗酸化物質であるメラトニンの産生能力も受け継ぎ、それはミトコンドリア機能の保全に役立っている。 太陽光の近赤外線(NIR)はミトコンドリアの発色団に吸収されメラトニンの生合成を促進する。NIRは紫外線と比べ波長が長いため、体のより奥深くまで貫通し、皮膚だけでなく皮下組織にも届く。NIRは目には見えないが熱として感じることが出来る。 驚くことに、夜間に暗闇において松果体で産生されるメラトニンは全体の5%でしかなく、太陽光の下ミトコンドリア内で産生されるメラトニンが95%を占めるのである。  ミトコンドリア機能を最適化するために、定期的な日光浴によりNIRを吸収する必要がある。緑色植物や木は赤外線を反射するので、直射日光を浴びない森林浴でもNIRを吸収する事は可能である。また、NIRは軽装な服を貫通するので、肌を出す必要もない。

プラークは血栓から生じる
脂質異常症 · 2022/02/23
アテローム性動脈硬化症による心血管疾患(CVD)のリスクには、喫煙、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病、血管炎、視床下部-下垂体-副腎軸機能障害(コルチゾール)、精神的ストレス、感染症、肺塞栓症などがありますが、どれも、グリコカリックスと内皮の損傷、大きく除去が難しい血栓、修復システムの障害の3点に関与し、血栓形成を促進します。特に、人や動物で肺塞栓症により、他のリスクなしに、血栓だけで肺動脈にプラークが形成されることが証明されたことは、血栓形成仮説の妥当性をより強固にしました。ちなみに、LDLはCVDのリスクではありませんでした。(Weng SF, PLoS ONE. 2017)(つづく) 詳しくはFB特集記事「血栓形成仮説:アテローム性動脈硬化症の成因」をご覧ください。

プラークは血栓から生じる
脂質異常症 · 2022/02/23
「アテローム性動脈硬化プラークはコレステロール(LDL)からなる」とするコレステロール仮説を、世界中の循環器専門医を含めた全ての人が信じて疑いません。しかし、LDLが内皮下にどのように取り込まれ、プラーク内の脂質は本当にLDLであるのかすら、実は証明されていないのです。 一方、プラークは血栓の内膜への沈着の結果生じるとする血栓形成仮説があります。血栓は内皮損傷部位を覆うように生じ、血液中の血管内皮前駆細胞 (EPCs)が血栓に張り付いて新しい内皮細胞となり、血栓は内皮下に収まります。また、EPCsは単球に分化してマクロファージとなり、血栓残渣の掃除をして泡沫細胞となることも明らかになりました。プラーク破裂と引き続く治癒過程は急速なプラーク拡大の主な要因と考えられ、冠動脈狭窄が段階的に進展することを説明します。プラーク内の脂質は血栓形成過程で必要な赤血球とLp(a)に由来すると考えると、全てで合点が行き矛盾がありません。

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